ヘアケアマイスターって必要?勉強法・難易度・メリットを30代パパ美容師が本音で解説

パパの身だしなみ
この記事で解決できる悩み
坂口 智也
坂口 智也

このような悩みついて解決できる記事を書きました。

美容師歴15年/都内美容室で現役stylistとして活躍中。
ヘアケアマイスターの資格を取得/福祉理美容師の資格取得
お客様とのコミュニケーションから得たリアルな声を活かし、豊富な経験と知識を織り交ぜた情報をお届けしています。

「ヘアケアマイスターって、実際どうなの?」

そんな疑問を、僕自身もずっと抱えていました。美容師として15年、日々サロンワークに励む中で、なんとなく知ってはいるけど、
今さら資格を取る意味あるのかなと…。

でも、
「もっとお客様にちゃんと伝えられる美容師になりたい!」
そんな思いから2年前、思い切ってこの資格に挑戦することを決めました。

3人の子育てとサロンワークの合間に少しずつ勉強を重ね、今年ついに4つすべての試験を終えました。
(※正式な合格発表は7月ですが、自己採点ではいけてそうです…!現在6月、試験は5月末)。

特に毎日バタバタと働く美容師さんや、育児や家事と両立しているパパママ美容師には、なかなかハードルの高い試験に感じるかもしれません。

今回は実際に受験したからこそわかる、
試験の内容や勉強法、そして受けてよかったことを本音でまとめていきます。

ヘアケアマイスターとは?美容師が受ける理由

多くの一流美容師が選んでいる
「ヘアケアマイスター」。
なぜ今、改めて注目されているのか?

その理由や、資格を取ることで得られるメリットを、現場目線でわかりやすくご紹介します。

どんな資格?取得すると何ができる?

「ヘアケアマイスター」とは、
美容業界において名誉と権威ある称号のひとつで、美容師が毛髪や薬剤、頭皮の知識をより深めるための専門資格です。

特定のメーカーに偏らず、中立的な立場から正しいヘアケア理論を学べるため、現場でのカウンセリング力や提案の幅が大きく広がるのが特徴。

この資格は、髪のプロフェッショナル=ヘアケアの専門家としての認定を受けるもので、毛髪の構造からダメージ理論、薬剤知識やスカルプケアまで、美容師として知っておきたい土台をしっかり固められる内容になっています。

つまり、ただの技術職ではなく、お客様から信頼される髪のパートナーとしての提案力を高める資格だと、ボクは感じています。

正式名称は?履歴書に書けるのか?

アケアマイスターの資格を履歴書に書くとき、
「どこに、どう書けばいいんだろう…?」と迷う方が多いと思います。

せっかく時間をかけて勉強して合格した資格なので、ちゃんとした形でアピールしたいですよね。

まず押さえておきたいのは正式名称です。
ヘアケアマイスターは段階ごとの資格になっていて、受けたコース名をきちんと書くのがポイントになります。

例えば
  • プライマリーコースに合格したなら→ヘアケアマイスター プライマリーコース合格
  • ミドルコースに進んだら→ヘアケアマイスター ミドルコース合格
  • 最上位のマイスターまで到達した場合は→ヘアケアマイスター認定試験合格またはヘアケアマイスター

こんな感じで、認定証に書かれている表記をそのまま使うのが一番安心です。

履歴書に書く場所は基本的に「免許・資格」欄。

国家資格ではないので「これって書いていいの?」と心配になるかもしれませんが、美容業界ではちゃんと評価される資格です。

実際にボク自身も、同業者やアシスタントと話していて「ヘアケアマイスター持ってるんですね」と一目置かれる場面はありました。

資格そのものより、「この人は勉強して知識を深めようとしている」という姿勢が伝わるのが大きいと思います。

試験は全4コース|プライマリー〜マイスター2次までの流れ

ヘアケアマイスターの試験は、段階的にレベルアップしていく全4コース構成
基礎から実践まで、じっくり知識を積み上げられる流れが魅力です。

ヘアケアマイスター全4コース
  • プライマリーコース…毛髪の構造やダメージの仕組み、シャンプーやトリートメントの基礎知識などを学ぶ初級編。
  • ミドルコース…プライマリーの内容に加え、パーマやカラーによる髪への影響、薬剤の種類と特徴など、応用的なダメージ理論が中心。
  • マイスター一次試験…頭皮や皮膚の構造、毛髪診断とケア提案など、現場での対応力を問われる内容。
  • マイスター二次試験…カウンセリング力や提案力を記述で表現する実践型の試験。論理的に説明する力が求められます。

試験はすべて100問・60分・マークシート形式です。
マイスター1次は10月、2次は5月の年1回ずつなので、年間スケジュールに合わせた計画が重要ですね。

受験資格・費用・試験時期|はじめての方が知っておきたい基本情報

ヘアケアマイスターの試験は、美容師免許を持っていれば誰でも受験可能です。
年齢や経験年数の制限はなく、サロンワークをしていればすぐにチャレンジできます。

試験の基本情報まとめ
  • 受験資格:美容師免許保有者(経験年数不問)
  • 試験回数:年2回(春:5月、秋:10月)
  • 試験方式:全国の指定会場での筆記試験(オンライン受験は不可)
  • 費用:1ステップごとに3000円~9000円程度
  • テキスト:各ステップごとに公式テキストあり(別途購入)

申込みから受験まではそこまで手間もかからず、「やろう」と決めればすぐ始められるのがこの資格の魅力でもあります。

どうやって申し込む?

申し込みは、会員ディーラー経由または協会の公式サイトから可能です。
各試験の約2ヶ月前から受付が始まるので、受験を考えている方は早めのチェックがおすすめです。

僕が全ステップ合格を目指した理由【パパ美容師の本音】

美容師として15年。
ある程度経験も積み、自分なりの感覚や提案スタイルができてきたと思っていました。でもある日ふと、
「この薬剤、なぜおすすめなのかをちゃんと説明できてるか?」
「いつも通り」「なんとなく」で提案してることないかな?って。
ふと、立ち止まる瞬間があったんです。

技術や感覚に頼るだけじゃなく、ちゃんとした根拠や知識として自分の中に落とし込んでいきたい。
そう思ってボクがヘアケアマイスターに挑戦しようと思った最初のきっかけでした。

とはいえ、僕は3人の子どもを育てながら、サロンワークと家のことに追われる毎日。
「今の自分に勉強なんてできるのか?」という不安も正直ありました。
でも、知識を整える時間が、自分の気持ちも整える時間になりました。

少しずつでも前に進める感覚があり、朝の10分、夜の15分でも、何かを積み重ねているという実感。
それが、忙しい日々の中で充実した感じがありました。

知識が増えると、お客様に対する言葉も変わってきて、お客様に「なんでこのケアがいいの?」と聞かれたとき、
「なんとなく」じゃなく、なぜそれがいいのかを自分の言葉で伝えられる。
その自信が、日々の提案にも自然と「自信」がにじむようになった気がします。

もしあなたが「ヘアケアマイスターって、意味あるのかな?」と迷っているなら、ボクは「取ってよかった」と言いたいですね。

経験や感覚だけじゃ伝わらないことってけっこうありますよね。
だからこそ、ちゃんと説明できる自分になれたのは大きかったなと感じてます。

2年間で全コース取得!僕の勉強スケジュールとやったこと

「資格取得には時間がかかるな…。」
と思いきや、実はスキマ時間の積み重ねで十分いけました。
ボクは約2年間かけて、4つの試験すべてに合格しました。

それぞれの試験で、どのくらい前からどう勉強したのか?
無理なく続けられた方法をご紹介します。

各試験の勉強期間と勉強方法

【期間】各ステップの勉強開始タイミング
  • プライマリー・ミドル:各1〜2ヶ月前からスタート
  • マイスター1次試験:約2ヶ月前からコツコツ対策
  • マイスター2次試験:約3ヶ月前からじっくり準備
【方法】実際にやった勉強スタイル
  • テキストをひたすら読む&音読する
    まずは公式テキストを繰り返し読み込むことからスタート。
  • スキマ時間を徹底活用
    通勤中・昼休み・営業後などに、1日10〜15分でもテキストを読む
  • 過去問を繰り返し解く←重要
    出題傾向がつかめて安心感につながる。
    試験前は「過去問の見直し+答えの理由を説明できるか」を意識
  • 耳から覚える工夫も←ボクは効果絶大でした!
    テキストをスマホで撮影し、文字起こしをして、
    それを音声読み上げアプリに貼り付けて音読再生。
    通勤や朝の散歩中に聴いてインプットしたり、聴きながらテキストを読むのもおすすめ。

家庭も仕事もある中で勉強するには、自分に合うペースとちょっとした工夫が何より大切です。
この4つをベースにすれば、無理せず着実にステップを踏めると思います。

ボクが取り入れた「耳から勉強」のやり方

2次試験の対策では、「読む」だけじゃなく、耳からのインプット「聴く」も取り入れていました。
スキマ時間を最大限に活かしたくて、こんな手順でやってました。
ちなみに、
プライマリー〜マイスター2次の内容全部出来ると思います。

具体的なやり方はこちら
  1. 公式テキスト全ページをスマホで撮影
  2. 画像をスマホで文字起こし
  3. 読み上げアプリやスマホの音声機能に貼り付けて再生

これを通勤中や朝の散歩中に聴いて、耳からインプット
覚えにくい用語や定義は、繰り返し聞くことで自然と頭に入っていきました。
さらに、テキストを読みながら音声を聴くことで目+耳でダブル定着しました。

実際どうだった?

最初は、正直めちゃくちゃ大変でした。
文字起こしして、音声化して…。
もう本当に、「なんでこんなこと始めたんやろ…」って思うくらい手間でした。
作ってるときは、軽く地獄でした(笑)

でも、一度作ってしまえばそれで完了。
ずっと使えます!
あとは「ながら時間がそのまま勉強時間に変わるんですよね。

特に、僕は普段からオーディオブックに慣れていることもあって、耳からの情報もスッと入ってきやすくて。
繰り返し聴いていた表現が、試験の記述でも自然と自分の言葉として出てきたりして、かなり効果を実感しました。


慣れていない人でも聴き続けると絶対に慣れます!
これは本当におすすめ!

試験内容と難易度は?実際に受けて感じたこと

ヘアケアマイスターの試験合格は、ステップが上がるごとに内容が深まりしっかり自分がレベルアップしていく実感がありました。

以下、各ステップの内容と、僕が実際に受けて感じた難易度をまとめます。

プライマリー&ミドル

・難易度:★★☆☆☆ プライマリー
(基礎をしっかりやればOK)
・難易度:★★☆☆ ミドル
(過去問題は必須)

内容
  • 毛髪構造やダメージ理論、薬剤の基礎など、シャンプー・トリートメント成分などを学びます。
    現場でもよく登場するテーマです。
  • ミドルではプライマリーの内容に加えパーマやカラーなど薬剤の種類や特徴についても出題されます。
    応用的な知識が求められます。
ボクが感じたこと

正直、日々のサロンワークをしっかりやってる人なら十分対応できる内容です。
テキストを読み込めば、あとは「なるほど、そういう理屈だったんだな」と納得できることが多く、いつもの技術にちゃんとした理屈がくっつく感覚でした。
ボク自身は、「普段やってることの意味づけ」を再確認できて、すごく勉強なったなと感じています。

ヘアケアマイスター1次

・難易度:★★
(計画的な対策が必要)

内容
  • プライマリー・ミドルの内容に加え、
    頭皮や皮膚構造、毛髪診断、ケア提案など、よりカウンセリング力に寄った内容を学びます。
  • 幅広い出題範囲なので、理解力と応用力が求められます。
ボクが感じたこと

このあたりから「ただ覚える」では通用しなくなってきます。
テキストの内容をただ覚えるだけじゃなくて、「どう伝えるか」「なぜそう言えるのか」まで求められる感じです。
ここをしっかり乗り越えると、カウンセリングの説得力がグッと上がると思います。

ヘアケアマイスター2次

・難易度:★★★★☆
(テキストをひたすら覚える)

内容
  • ヘアケアマイスター2次専用テキストから出題され、カウンセリング力や提案力の視点が求められる内容が中心です。
  • コミュニケーションスキルやお客様のタイプ別対応方法などより実践に近く考える問題が増えてきます。
ボクが感じたこと

お客様のタイプ別対応方法を覚えるのが大変でした。
ボク個人的には「耳から勉強」がこの試験で特に役に立ち、通勤中やながら時間に聴きまくりました。
現場でのカウンセリング力に直結すると感じています。

ヘアケアマイスターを取ってよかったこと

ヘアケアマイスターの資格を取って一番よかったのは、自分の言葉で「根拠のある提案」ができるようになったことです。

実感した3つのメリットを簡単に解説していきます。

1. 理論が言葉になり、「伝わる提案」ができるように

ヘアケアマイスターを通して得た一番の変化は、お客様への説明に根拠が持てるようになったことです。
これまで感覚で話していた部分が、しっかりと言葉で伝えられるようになり、「なるほど、だからそれがいいんですね」と納得してもらえる場面が確実に増えました。

2. 迷いが減り、より的確なメニュー提案が可能に

薬剤選定やホームケアのアドバイスにおいて、以前は「感覚でこれがいいかな」という判断も多かったのですが、
今では髪質やダメージ状況に対してこうだからこれと理由を持って提案できるようになりました。
その分、お客様からの納得して施術してもらっています。

3. 新規のお客様や知識に敏感な方からの信頼度が変わった

美容成分に詳しい方や、髪のダメージに悩んでいる新規のお客様ほど、知識に敏感な感じがあります。
そんな場面でも、理論を持って丁寧に伝えられることで、「この人に任せてみよう」と思ってもらえる手応え増えように思います。
お客様にとっての髪の相談相手として、より信頼される立場になれたと感じています。

これから受ける方へ

ヘアケアマイスターって、正直、簡単な資格じゃないと思います。
仕事に家事に育児に追われながら、空いた時間で勉強を続けるのは、想像以上に大変でした。

でも、だからこそやってよかったし受けてよかったです。

知識を得ることは、ただ「頭がよくなる」ってことじゃなくて、お客様に安心してもらえる力や自分に自信を持つ力になると心から感じています。

もし、今「ヘアケアマイスターって意味あるのかな?」と迷っているなら、一歩だけ踏み出してみてください。
知識が整うことは、気持ちも整い、美容師としての自信にもつながっていきます。

僕自身、3人の子育てをしながら、サロンワークと家のことに追われる日々。
「勉強なんてできるかな…」と不安もありました。
「少しずつ」「コツコツ」で、必ず合格を目指せます。

特にアシスタントのうちに取るのもおすすめです。
早いうちに知識を土台として持っておくと、その後のカウンセリングや薬剤選定が圧倒的にラクになります。1日10分でも、継続すれば絶対に力になります。

知識を整えることで、美容師としての軸ができる。技術や流行は日々変わりますが、知識は自分の中に積み上がっていくもの。
少しでも「受けてみようかな」と思ってもらえたなら、それだけでこの記事を書いた意味があります。

ヘアケアマイスターは、美容師としての自信と軸を育ててくれる資格だと思います。

まとめ

以上で「ヘアケアマイスターって必要?勉強法・難易度・メリットを30代パパ美容師が本音で解説」を解説させていただきました。

「ヘアケアマイスターって本当に必要なの?」
そんな疑問からスタートした今回の記事ですが、僕自身の2年間の経験を通して感じたのは、知識があることで、美容師としての軸も整うということ。

もちろんこれは「絶対に取らなきゃいけない資格」ではありません。
勉強も簡単ではないし、忙しい日々の中で時間をつくるのも正直大変です。

それでも僕にとっては、知識を整え、お客様との関係や日々の働き方を見直すきっかけになった資格でした。そして、その学びが日々のサロンワークに活きる場面も確実に増えています。

得られるものは想像以上に大きいと実感しています。

少しでも「気になってる」「挑戦してみようかな」と思っている方の背中を押せたら嬉しいです。

サカグチ トモヤ

美容師として15年、3人の子どもを育てる父として毎日をバタバタと過ごしています。
そんな日々の中でも、自分と家族の心と体を「整える」ことを大切に、
美容師としての経験、子どもとの暮らし、本から得た学びや気づきを発信中。
同じように忙しい日々を送るパパ・ママたちの、ちょっとしたヒントになれば嬉しいです。

2010年~:美容室に勤務
2022年~:フリーランス美容師
2024年~:美容師×ブログ
資格
美容師国家資格・管理美容師資格・ヘアケアマイスター取得・福祉理美容士認定資格
趣味
筋トレ・読書・オーディオブック(聞く読書)

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